
「『扇情主義の罠』に抗して ハーレム・ルネサンスの作家からセンベーヌ・ウスマンに引き継がれたパッシングの主題」(『ブラック・モダニズム: 間大陸的黒人文化表象におけるモダニティの生成と歴史化をめぐって』吉澤英樹 編, 未知谷, 2015)
セネガルの映画監督センベーヌ・ウスマンは、第二次世界大戦の終結間際にダカール近郊で発生したフランス軍による植民地兵虐殺事件を扱った『キャンプ・チャーロイ』(1988)において、セネガル狙撃兵とアメリカ軍所属の黒人兵士のアイデンティティが混同される様子をユーモアたっぷりに描いた。本論では、センベーヌが1920年代の合衆国の黒人文学からパッシングの主題を借り受けて、どのように換骨奪胎したかに注目する。

